なぜ那須に
モンゴル?

テンゲル誕生のきっかけ

テンゲルをオープンさせる頃、テンゲルを経営している那須オオシマフォーラムではスポーツ研修、勉強合宿、企業研修など団体のお客様に多く利用していただいていました。その経験の中で、日本人の本来持っている「大らかさ」や「自然を愛する気持ち」「仲間、家族を思いやる気持ち」などが残念ながら弱くなってきていると実感しました。

新しく施設を計画するにあたって、様々なことを検討している中、モンゴルに出会い、仲間や家族、自然を大事にする遊牧民の生活やゲルを体験するうちに、丸い空間に仲間、家族が集う究極のワンルーム「ゲル」の利用を思いつき、当初の計画を白紙にして取り組んだのがテンゲルです。

那須はたまたま日本の酪農、畜産の産地としても盛んで、高原性の気候や牧歌的な雰囲気にもテンゲルはマッチしました。普段四角の多い日本の生活空間とは、一味も二味もちがう丸い空間ゲルで、仲間や家族とひと時を過ごしていただき、何かを感じていただけたら幸いです。

名前の由来

オープン当初、ゲルは10棟でした。名前をどうしようか・・・と検討する中で「ゲルが10棟だから、10のゲルで、テンゲルでどうだろう」と冗談交じりで出た案でしたが、「テンゲルはモンゴル語で天という意味があり、モンゴルでは空への信仰もあるのでとてもいい意味の名前だ」ということで、『テンゲル』と名付けました。

「ゲルへの思い」

ゲルは家畜とともに年に数回移動をし、雨が少ないモンゴルの草原での生活にぴったりのお家です。日本はモンゴルと気候が違うので、カバーを特注生地にしたり、扉を鉄扉にしたり、エアコンを入れたりモンゴルとは異なる点もありますが、ゲルの持つ丸くあたたかな空間をできるだけ崩さないようにという想いを持っております。特注生地を使用していることでテントのように感じるかもしれませんが、家族が暮らすしっかりとした住居「ゲル」でどうぞ一緒にいらした皆様と会話を弾ませながらお過ごしください。

「ゲル」と「テンゲル」単語の違い

「テンゲルの“テン”はどういう意味ですか?」とよく聞かれますが、「ゲル」と「テンゲル」は別の単語です。「гэр(ゲル)」は「家、伝統的移動住居」の意味、「тэнгэр(テンゲル)」は「蒼天・空」を意味します。

テンゲル×モンゴル

  • 日本・モンゴル交換ホームステイ

    テンゲルでは、日本とモンゴルの国際交流活動として、那須町の小中学生とモンゴルの小中学生の交換ホームステイを実施しています。互いに生活環境の違いに不安を感じながらも、ホームステイを通してともに生活することで、文化の壁を乗り越え、様々な新しい経験をし、子どもたちにとって大きな成長の機会となっています。日本とモンゴル国交正常化30周年の2002年にスタートしたこの事業は現在も続いています。

  • モンゴル国大統領来訪

    2003年12月7日「公式実務訪問賓客」として訪日中のバガバンディモンゴル国大統領と令夫人が随行員約40名の皆様とテンゲルを視察なさいました。施設説明、見学の後、昼食をお召し上がりになり、那須町立那須小学校の児童のみなさんによる「子狐太鼓」演奏をお楽しみになりました。その様子は同行のモンゴル国プレスによって、新聞全紙と全TVで紹介されました。大統領はTVのインタビューで「テンゲルはモンゴル文化を正しく日本に伝えてくれているとても重要な施設である」とコメントしてくださり、スタッフ一同これからますます頑張ろうと決意を新たにしました。感動と緊張の1日でした。

モンゴル民話

テンゲルがオープンする際にモンゴル伝承民話のビデオ絵本を作成しました。
ツバメやコウモリ、ニワトリなど、その姿やなきごえなどにまつわるほんわか、かわいらしい民話をご紹介します。

テンゲル×BIRD-KISS

テンゲルのかわいいキャラクターたちは、テンゲルオープンの際にアートプロデュースして下さった、アーチスト大嶽一省氏による作品です。
大嶽氏のテンゲルオープンへの想いをご紹介します。

1999年の夏に、那須高原に「モンゴリアビレッジ テンゲル」をオープンした。
モンゴル国の遊牧民が暮らす「ゲル」と呼ばれる移動式天幕をそのまま使用する新しい集いの場としてプランしたものである。
「ゲル」のもつあたたかさや、やすらぎの中で心や生き方を豊かにするための、大切な時間を過ごす。そしてなによりもその空間で、「仲間」というものを再認識することができたらいいなあ、21世紀のテーマだなあ、そんな思いでそのプロジェクトを推進した。
僕の考える「仲間」とは、家族であり、親子であり、友人であり、恋人同士...。さまざまな人たちが、それぞれの想いをもって、「ゲル」に集い、ともにテーブルを囲み、ともに食事をし、ともに語らう。特別な人とゆったりとした時を共有し新たな絆をみつける。大切なのは「ゲル」はあくまでも「場」であって、どのようにその時を過ごすかは、その人が主役になって、コーディネイトしてゆくということ。そこが、従来の観光リゾートと「テンゲル」の大きな違いにしたい。また、モンゴルの文化や暮らしを疑似体験することで、日本の文化を再発見してもらうきっかけにも寄与したい。(ちなみにテンゲルは蒼天・天空を意味するモンゴル語。またビレッジ全体を10個のゲルからスタートしたことから、テンのゲルとネーミング。2011年にリニューアルして31棟になった)

※1999年のメッセージより抜粋

テンゲル・アートプロデュース
IN・COM㈱ 代表アートディレクター 大嶽一省(おおたけかずみ)

モンゴル文化をテンゲルで楽しもう!

テンゲルではモンゴルの遊牧民が暮らす移動式住居「ゲル」での宿泊をはじめとして、伝統的な民族衣装「デール」の着用体験、モンゴル音楽特有の歌唱法「ホーミー」とあわせて楽しめる「馬頭琴」のミニコンサートなど日本にいながら、モンゴル文化を楽しむことが出来ます。

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